2010年10月
数年ぶりにホンシメジに出会いました。
シメジにはスーパーで年中売られているブナシメジや、やはり今の時期に数多く収穫できるハタケシメジ、稀少な存在となったシャカシメジなど実にたくさんの種類があります。
しかしそんな多くのシメジの中で頂点に君臨するのがこのホンシメジ(別名:ダイコクシメジ)で、本来は “ シメジ ” と言ったらこのホンシメジのことを指すと言われています。
茎はズングリと太く充実し、いかにもキノコらしい見事なプロポーション。
味のほうはシメジをシメジたらしめているあの “ いわゆるキノコの味 ” が、ブナシメジやハタケシメジなどよりずっと強く感じられ、しかも旨み成分が極めて濃厚。
「香りマツタケ、味シメジ」という言葉に、「そうかなぁ?」と感じている人も少なくないと思いますが、ホンシメジを一度食べると「マツタケを上回るシメジの味」というこの言葉も、決してオーバーなものではないと納得できると思います。
マツタケは火を通すとクニャッとした、ちょっと情けない食感になってしまいますが、ホンシメジは火を通しても熱に負けず、ムッチリとした食感を残してくれます。
今回は小型のものはキノコ汁にし、大型のものはバター焼きにして食べましたが、このバター焼きの旨さはまさに感動的で、ひとくち食べるごとに目を閉じて唸ってしまうほど素晴らしく奥深い味がします。
ところでホンシメジが発生する林は、コウタケの出る林と環境がとてもよく似ているなぁと以前から感じていたのですが、今回入った林には両方発生していました。
コウタケは直径が20センチを超えるほど大きく成長したものが多く、数はさほどでもなかったものの、目方は先週の収穫を上回っていそうです。
沢沿いに発生していたナラタケも採りきれないほどの量で、午後からぶらりと出かけたわりには大収穫となりました。
「お行きなさいっ!キノコの森へ!」
・・・という、夢の中に現れた釈由美子の啓示に導かれるままに・・・
ただただ導かれるままに、前日の雨でいくぶん湿り気を帯びた森の奥へと分け入っていくと・・・
『ぬ、ぬぉぉぉぉっっ! こ、これはぁぁぁっ!』
またしてもコウタケに遭遇。
昨年と同じ叫び声が、赤松混じりの雑木林に響き渡ったのでした。
仕事では決して見せることのない超集中力を発揮して周辺を探し回ると、あるわあるわ・・・
ひととおりコウタケを収穫したあと、サクラシメジの群生にも出くわしましたが、
「コウタケを大量に採ったこの俺様がいまさらサクラシメジなんか採れるかよっ!」
と、写真だけ撮って放置してきました。(←自分がエラくなったような気がして・・・)
今回収穫のコウタケは、推定で時価5~6万円相当。
いや~、この充実感!